アカウントにクレジットカードを登録することで、インターネット上の“サイフ”として支払いが可能な「ペイパル(PayPal)」。ユーザーにとっては、クレジットカード番号をショップに提供する必要がなく、安心して買い物ができる。加えて、ショップ側からすると、厳重な管理が必要となるクレジットカード番号を受け取る必要がなく、売り手と買い手の双方に利便性の高いサービスだ。
セキュリティーにも万全の体制を整えている。アカウント不正利用や取り込み詐欺などを防止するセキュリティーシステムを構築。安心感を持って利用できる決済手段として、世界中で約3億のアクティブユーザー(1年以内に1回以上の買い物をしたユーザー)が愛用するまでに成長している。
そんなペイパルを導入している企業は多い。その中でも、コンテンツと決済額ともに最大規模を誇る企業の一つがDMM.comだ。ゲームや動画配信などを中心に多数のサービスを提供するDMM.comは意思決定が迅速で、事業のローンチと終了の展開がスピーディー。現在、約40種類のサービスを運営している。そんなDMM.comにとって、決済サービスにペイパルを利用するメリットはどこにあるのだろうか。DMM.comの松本勇気CTOに、ペイパル日本支店の瓶子昌泰カントリーマネージャーが話を聞いた。
DMM.comの松本勇気CTO(左)とペイパルの瓶子昌泰カントリーマネージャー
瓶子:DMM.comさんでは、2015年からペイパルをご採用いただいております。どのような利便性を感じていますか。
松本:当社では、オンラインゲームや動画配信などのエンターテインメントから、英会話やプログラミングスクールの学習コンテンツまで、多岐にわたるサービスを提供しています。ユーザーは共通のIDでそれらのサービスを受けられるわけですが、ユーザー属性によって決済手段の向き不向きがあります。ユーザーニーズに応えるための一つとして、ペイパルさんのサービスを導入しています。
瓶子:確かに、御社は当社のサービス以外でも、クレジットカード、コンビニで購入できる電子マネーなど、多彩な決済方法を導入なさっています。オンラインでクレジットカードを使うのが不安な人もいれば、コンビニでわざわざ電子
マネーを購入するのは面倒という人もいますからね。採用いただき、改めてありがとうございます。
松本:また、ペイパルさんは2018年に銀行口座からの決済に対応しました。これにより、クレジットカードを持たないユーザーでもペイパルを利用できるようになったのは大きいと思います。DMMではクレジットカード以外での決済手段を利用しているユーザーも多いので。
瓶子:松本さんに、そうおっしゃっていただけると心強いです。これは当社の自負になりますが、銀行口座からの決済によってリーチできるユーザーの数を増やせると思いますよ。
松本:まさに、おっしゃる通り。今後は、新規のユーザーが開拓できることを期待しています。また、最近では海外のカスタマーが増えました。対応通貨が豊富なのは、グローバル展開を実現しているペイパルさんだからこそです。アニメやゲームなど日本のコンテンツの人気が高まっているなか、グローバルで利用できるペイパル決済は当社のユーザーが増えるきっかけにつながっていると感じています。
「多彩な決済手段でユーザーニーズに対応する」と強調するDMM.comの松本CTO
瓶子:日本のデジタルコンテンツが世界で評価されているということも、御社のユーザーが増えている要因ですね。世界中のファンに、日本のコンテンツを楽しんでほしい、それに当社が寄与できればと考えています。
松本:世界のアプリ市場を研究していると、日本は特殊です。ゲームをはじめとしたエンターテインメントコンテンツのシェアがとても高いのです。確かに、多数のゲームやデベロッパーが存在し、当社でも「艦これ」などが楽しめるゲームプラットフォームを提供していますし。ただ、その海外ファンにとって障壁となるのが、やはり決済です。その壁をペイパルが取り除いてくれているということです。
瓶子:ありがたいお言葉です。世界中どこでも安心して利用できる“サイフ”となるのが当社の役割ですから。
松本:多数の人が自分に適した方法で決済できるペイパルと当社のサービスは、非常に相性が高い。さらに充実したコンテンツをユーザーに対して提供できるパートナーとして、一緒に成長したいと考えています。
瓶子:こちらこそ、よろしくお願い致します。
「コンテンツファンの増加に寄与したい」との考えを示すペイパルの瓶子カントリーマネージャー
松本:今日は、このような場でお話できて、うれしく思います。実は、私自身もペイパルの「ヘビーユーザー」なんです(笑)。
瓶子:それは光栄です。どのようにペイパルをご利用いただいているのでしょうか。
松本:海外のソフトウエアやハードウエアを購入するケースが多いですね。相手に直接クレジットカード番号を渡すと、万が一、流出したときの手続きが大変です。登録しているサブスクリプションサービスなど、全ての番号を変えなければならなくなります。
瓶子:おっしゃる通りです。
松本:しかし、ペイパルなら販売者に渡す情報はペイパル IDだけ。万が一のトラブルが発生したときも、登録しているクレジットカード番号を変えればいいだけですし、御社が「買い手保護制度」を提供しているのも安心です。
瓶子:当社の特長をご理解くださいまして、本当に感謝しております。松本さんのように、安心して使っていただけるユーザーが増えるよう、当社も全力でサービスをブラッシュアップしていきたいです。