宿泊系ポータルサイトとペイパルの“合わせ技”で、
稼働率92%、外国人宿泊客が98%に!
京都に現在10軒の施設を持つ「ゲストハウスイン京都」。課題になっていたのは、客室稼働率と宿泊料金の回収である。統括マネージャー 笠井稔之氏が語る。
「2012年頃までは日本人旅行客が主だったため、一泊だけでしかも週末しか部屋が埋まらないのが悩みでした。そこで海外からのお客様を取り込めば、平日も多くの方に利用いただけると考えたのです。また、キャンセル料金が回収できないことも問題でした」。
この結果、2016年現在、同ゲストハウスはインバウンド(外国人旅行客)が利用者の98%を占め、客室の年間平均稼働率はなんと92%をマークしている。世界的な宿泊系ポータルサイトを使った集客と、ペイパルによる決済という“合わせ技”が、この驚異的な業務改善効果をもたらしたのは言うまでもない。
また、複数のクレジットカードや多額の現金を持ち歩かなくても良いという点がマッチした部分も大きい。
「もし旅先でクレジットカードが使えない場合、お客様は多額の現金を持ち歩かなくてはなりません。しかし ペイパルで宿泊料などを前払いできれば、旅行中は必要最小限のお金だけですみます。ペイパルを使った決済は、お客様にも大きなメリットがあるのです」(笠井氏)。
もちろん当初の狙いだった、No-Showやキャンセル料金の未回収対策も、予想以上の大きな成果を挙げた。こうしたトラブルの発生件数は、ペイパル導入前の約1割にまで減少し、経営面での体質改善に大きく貢献している。ペイパルの導入は、従業員の負担軽減という予期しなかったメリットまで実現している。笠井氏は、「以前は、来るかどうかわからない予約客を真夜中まで待つこともしばしばでした。それが今は、料金は前払いで済んでいるので、お客様の来館を待っている必要がなくなったのです」と語る。
この結果、ゲストハウスイン独自のチェックインシステムにより、従業員の定時退勤が可能になる一方、利用客は24時間いつでもチェックイン可能という双方のメリットが実現した。 現在、同ゲストハウスではペイパル以外にクレジットカードによる決済も利用できるが、これも近々ペイパルのクレジットカード決済サービスである「ペイパル+カード決済」に移行し、決済方法をペイパルに一本化していく予定だ。「ときどき飛び込みで来られるお客様がいて、その場で安全にカード決済してもらうための手段として導入を検討しています」(笠井氏)。
訪日旅行客に限らず、ペイパルを利用した決済は今後さらに拡がっていくと笠井氏は語る。
「かつての団体旅行から個人旅行へ、またパッケージツアーから個人プランへと旅行スタイルが変化してきており、その分自分で支払いをする機会が増えているからです。事前に支払いを済ませて気楽に旅を楽しめるという点でも、ペイパルは恰好の決済手段になっていくでしょう」。